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ビジョン共有 大手製造業A社の取り組み

ビジョンの実現に向けて、環境の変化に対し勇気を持って変革できる活力のある組織の創造

(背景)

大手製造業 A 社は、高い開発力を武器に、長年に渡り業界内でのシェアを順調に拡大し、ここ数年ではさらに事業分野を拡大してきた優良企業です。

A社では、以前から中長期ビジョンが策定されているものの、その浸透が十分にはできていない状態が慢性化しており経営上の課題の一つとなっていました。

「我が社は、ちっぽけな小さな石の上で偉そうにあぐらをかいているのが現状、このままではいつかもっと大きな石に押しつぶされて、粉々にされてしまう」という経営者の厳しい言葉がA社における現状を物語っているようでした。

また、ある役員は、自らの意志に従って行動し、粘り強く最後まで成し遂げるという自立した社員が少ないということを課題として挙げていました。「ウチの社員はやるべきことが与えられれば、まじめにコツコツ頑張ることができる。しかし、何をやるべきか、どういった手順で進めるべきかが不透明な状態では手がとまり、思考停止になってしまう」

ビジョンの実現に向かって、環境変化に対して勇気を持って変革できる活力ある組織を全社で実現するために、A社の中で主力製品の一つを扱う X 事業部が変革のスタートケースとして選ばれました。

 

(プレコンサルティング)
「正直、ビジョンって言われても自分にはピンとこなくて・・・」

A 社 X 事業部のプレコンサルティングでは、事業部長クラス、管理職層、メンバー層を中心に対話の場が持たれました。各位階層間で問題認識と大きくはずれていませんでした。しかしながら、メンバー層の考えを十分把握するまでに何回かに分けてミーティングを開催する必要がありました。彼らは事業部の問題についてはどちらかといえば受身で、自ら考えること、さらには、意見があっても積極的に意見を主張することに慣れていないようでした。

そんな中でも徐々に彼らの口から「正直、ビジョンって言われても自分にはピンとこなくて・・・」「ビジョンは所詮が絵空事、実現するような体制になっていないんです」「ビジョンを実現していくことなんて真剣に思っている人はいませんよ」など正直な言葉が語られるようになっていきました。

 

(ソリューション)
「ビジョンの実現も一人ひとりの想いや考えがそこに反映されなくては、他人事のままだ」

X事業部の変革を推進するコアメンバーを選出し、彼らを中心にしてA社のビジョンを実現するための X 事業部の最重要テーマを選択し、それぞれのテーマについて具体的なマイルストーンを明確にしていきました。また、A社の組織文化を再創造していくためにX事業部として何をすべきかについて話し合いを進めていきました。

この話し合いを通して、コアメンバーの間では「ビジョンを実現するためには、まずは一人ひとりの仕事に対する想いや姿勢を自らが問い直す機会が必要だ」という認識で一致しました。「一人ひとりがいろんな想いや考えをもって仕事をしているはず、でも、お互いにそれらを知りえていない。ビジョンの実現も一人ひとりの想いや考えがそこに反映されなくては、他人事のままだ」とコアメンバーの一人が熱弁する風景が印象的でした。

X事業部では、コアメンバーが中心となり最初に 2 日間にわたる合宿が計画され、実行されました。この合宿では、はじめてコアメンバー協力し合い 2 日間のワークショップのデザインを担当しました。

 

「悪いところばかり見ていた自分がいたな」

2 日間のワークショップでは、最初に、A社の良さ、仕事のやりがいなどについて強く感じた過去の出来事や経験をペアインタビュー形式で共有していきました。この場への参加を余儀なくされ、仕事の時間をつぶされたことに不満をもっていた参加者が多かったが、ペアインタビューが進められていく中で会場の空気が変わっていき、一人ひとりがこの場を心から楽しんでいる様子でした。

インタビュー後の全体共有では、朝からコアメンバーに不満をぶつけていたベテラン社員の一人が「そういえば、最近、会社や事業部の悪いところばかり見ていた自分がいたなと気づいた。

みんなで話をしていたら、自然にウチの会社ってやっぱりいいなって思えてきた。やっぱり、ウチの会社のことが好きなんだなって思えてきた」と語り、2日間の合宿ワークショップが順調にスタートした。

 

「一人ひとの想いやエネルギーを表明できることって本当に素晴らしい」

次のセッションでは、ワールド・カフェ形式で、将来ビジョンの実現において事業部の社員 1 人 1 人が何を望んでいるか、どんなことを実現していきたいかを話し合いました。ワールド・カフェ形式で行われた対話から複数の優先テーマがキーワードとして浮き彫りなっていきました。そして、2日目はそれらのテーマをもとにして、必要となるアクション、その達成状態について OST 形式で話し合いました。

この 2 日間のホールシステム・アプローチを使った話し合いの中で、参加者の一人ひとりが、自らの想いや考えを伝え合うことの素晴らしさ、それぞれの小さな知恵やアイデアが折り重なることで生み出される創造性の価値を体験として受け取りました。

2 日間のワークショップ終了後、合宿で得られたビジョンを実現するためのアクションがしっかりと実行されていくように、どのような組織運営をしていくべきかがコアメンバー、X事業部の管理職で話し合われました。

その後、2週間に一度、アクションの進捗状況やアクションから見えた課題などについて検討するミーティングがコアメンバーを中心に開かれるようになり、当初「絵空事」になっていたA社のビジョンはX事業部の具体的な事業活動の中で一歩一歩現実のものとなっていきました。

また、最初の合宿が行われてから数ヶ月後、さらに変革を大きく発展させるために、以下のようなワークショップを 2 日間かけて開催しました。

このワークショップでは、一人ひとりが自分自身の軸となる個人ミッション、個人ビジョン、個人バリューを探求していきました。

社会・経済システムの一大転換期の中で個人として何を実現しようとし、何を目指し、何を大切にしていくのかを仲間との対話を重ねながら探求し、自己リーダーシップの開発を目指したのです。

さらに社会、A社の現状および望ましい未来像について探求し、自分の個人ミッション、個人ビジョン、個人バリューと結び付けていきました。一人ひとりが自分軸を大切にし、自己実現していくことが、巡ってA社のビジョンを実現することになる。そのつながりを一人ひとりが実感したワークショップとなりました。

 

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