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ダイバーシティ推進 大手製造業B社の取り組み

ワールド・カフェによる社員の話し合いから経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメントを推進する

B社がダイバーシティ推進を始めるに至った背景

大手製造業B社は、中長期の経営計画として、新事業を基軸としたグローバル市場へのシフトを打ち出しました。既存商品の売上げ、国内シェアが海外メーカーに追い込まれる中で、今後の成長が期待される分野である海外の新事業への方向転換で企業としての成長を目指すことになりました。

期初の社長メッセージの中でも今後の新事業への具体的な計画が発表されました。

“新事業の計画を推進し成果を上げるためには、個々の国や地域の抱えている課題を正しく真正面から理解し、その解決策を導き出すこと、さらに、多様な視点にたった事業開発が必要である。そのためには社内が多様な人材(性別、年齢、国籍など)をもった多様性に富んだ組織作りを実現し、海外の個々の国や地域の抱えている課題を正しく真正面から理解し、その解決策を導き出すことができる能力開発を推進していく必要を感じている”

B社にとって、ダイバーシティはイノベーションの源泉であり、グローバルに成長していく上での経営の重要なテーマになりました。また、ビジネスのグローバル化に伴うステークホルダー、顧客ニーズの多様化に対応するために、異なる価値観・感性・経験を有する人材の活用(ダイバーシティ・マネジメント)による、組織の問題解決力、創造性、柔軟性の向上の必要性が高まってきました。

そこで、多様な人材が多様な価値を生み出せる仕組みの確立と風土の醸成として、ダイバーシティ推進で重要になる『対話』の風土を職場に創っていくためにワールドカフェを導入することになりました。

 

ダイバーシティ・マネジメントにおける現状把握

海外における新事業を推進していくためには、社内が多様な人材(性別、年齢、国籍など)をもった多様性に富んだ組織作りのために、まずは現状の把握からスタートしました。

そこからわかったことは、出産、子育てなど女性社員のライフサイクルに合わせた活躍支援、外国籍人材の積極的な登用および活用、メリハリのある働き方の推進による長時間労働縮減などの施策が急務であり、様々な側面から対応を考える必要性を認識しました。

新事業を推進していく上では、社内の協力だけではなく海外の社外の様々な他社企業との連携や行政との恊働の機会が必要となります。また、高齢者や女性、外国のなど様々な視点に立った事業開発が求められます。しかし、B社で今まで新事業を推進しているメンバーのほとんどが40歳以上の男性で、女性社員は事業の中核にはほとんど含まれていませんでした。

また、様々な部門が組織を超えて協力しあうことが必要となりましたが、B社の社内では組織のたこ壷化(サイロ化)がかなり進んでおり新事業を推進する上で大きな障害となっていました。

さらには、社員にとってダイバーシティの重要性を理解するのが難しくさせていたのがB社の既存の組織風土や今までの雇用の在り方にありました。

B社はこれまで高い開発技術を武器にして、数多くのヒット商品を出してきました。社員の多くが男性の新卒入社であり、事実上終身雇用に近い安定雇用をずっと維持してきました。社員はとても堅実、言われたことと与えられた役割に誠実に取り組み成果を上げるタイプが多く、こうした社員の特性や社風がこれまでの事業を支えてきました。また、部長職や役員における女性や外国人の占める割合や、外国人の採用数は限定されていました。その結果として、ダイバーシティそのものが理解しにくいものとなっていました。

 

ワールド・カフェの開催準備:ワールド・カフェ・ファシリテーター養成講座

スタートとして、ダイバーシティマネジメントについて正しく理解し、行動できるようになることを目的としたセミナーとワークショップ(ワールド・カフェ)に参加して、その部門や事業所においてもっとも適切なダイバーシティの様々なテーマ(女性社員の活躍支援、意見の多様性、ライフワークバランス、外国人の採用など)について様々な年次や年齢の社員が話し合うことになりました。

各事業所や部門でワークショップのファシリテーターを務める方々が選ばれて、大川恒が講師を務めたワールド・カフェのファシリテーター養成ワークショップを受講し、ワールド・カフェの基本的な知識、事前準備などの知識を身につけました。

さらに、カフェ・ホスト(ワールド・カフェのファシリテーター)として当日のワールド・カフェの進行の知識とスキルを身につけ、ワールド・カフェの目的と問いを自ら考えることと他の参加者との対話を通して練りました。講座の最後には、実際に開催するワールド・カフェの目的と問いのたたき台を完成させました。

ワールド・カフェ・ファシリテーター養成講座は、事業所でのダイバーシティ推進を担うメンバーが養成講座を通して、『対話』に真剣に向き合い、お互いに目的や問いを考える過程そのものが新たな価値を創造していくダイバーシティを体現したものでした。

また、カフェ・ホストを担当する社内の推進者が、現場の課題や参加者の関心ごとを捉え、参加者が真剣に話し合いたくなる問いを考えていくことがダイバーシティ推進の一層の加速に寄与することになることを参加者の多くが実感しました。

 

ワールド・カフェの開催によってもたらされた変化、気付き

各事業所、部門で開催されたダイバーシティをテーマにしたワールド・カフェでは、

「普段話をすることがなかった他部署の人と話ができて良かった」
「みんな悩んでいること、変えていきたいと思っていることは同じだってわかって安心した」
「定期実施してほしい」
「社員全員に受講させてほしい」
「上司部下関係なく対等に会話できることがよかった」
「自らテーマについて深く考え、その考えを同じ事業部で働く仲間と共有できる機会を得られたことが有意義だった」

といった声が参加者から聞かれました。

また、役職、部署、年齢を混在した形でワールド・カフェを実施したことによって「多様な人が話し合うと面白いアイデアが出る」ということが社員の意識として芽生えはじめた様子がみえました。

ワールド・カフェ・ファシリテーター養成講座に参加し、ワールド・カフェを主催したあるメンバーは、参加者が真剣に対話する様子や「お互いに話したことで、何かが変わるかもしれないと感じた」というフィードバックによって、ワールド・カフェに手応えを感じるとともに、参加者の声を課題として今後の活動に活かしていく意欲を強く持ちました。

さらには、開催後の職場では、これまでよりも自発的な発言が増える等の変化が早くも出始めていることがわかり、ワールド・カフェを今後も定期的に開催していくことの効果を実感しました。

 

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