哲学の特質は、ソクラテスが哲学対話のさいに発した「~とは何か」という問い方によく現れています。あたりまえと思っていること(法、教育、医療、企業、また正義や美など)について、それが私たちにとってもつ意義をあらためて問いなおす。そして、自分たちの進む方向を定め直して共有することが、哲学の目指すものです。激変する社会のなかで企業の存在理由を問い直し、個人の人生や仕事の意義を問い直すことに、哲学は役立ちます。そして、<洞察力>、<課題設定能力>、<概念化能力>を養うことにつながります。
「われ思う、ゆえにわれあり」というデカルト(1596-1650)の言葉を耳にされたことのある方も多いと思います。デカルトは「近代哲学の父」とも呼ばれるように、それ以後の哲学すべてに影響を与えています。また、彼の『方法序説』は、プラトン『ソクラテスの弁明』と並んで最良の哲学入門とされています。
この講座では、『方法序説』をたどりながら「哲学すること」のスピリットを体得することを目指します。この本は彼の自伝も含まれ、親しみやすい内容です。また、デカルトと現象学のつながりをお話することで、現象学の理解を深めます。
講義、質疑応答、および グループワークを通じて、デカルトの哲学を探求し、学習していきますが、特に
・デカルトの画期的、創造的なところはどこか
・デカルトは何故、現象学の祖なのか?
・デカルト批判は正当なのか?
の3つに力点をおいて進めていきます。
少人数のグループワークでその理解を確かめ、質問を出してもらい、それに答えるかたちで進めます。情報量を多くせず、重要な点について参加者が深い理解を得られることをめざします。
本ワークショップは、ZOOMを用いたオンラインセミナーです。
参加に必要なZOOMのURLは、参加費の事前振り込み確認後、開催前日までに登録のメールアドレスおよびメッセンジャーグループ宛にご連絡いたします。
よろしくお願いします。
9時5分スタート
最初の参加者のチェックイン(西先生のご紹介と参加者自己紹介)
講義1:近代における「知」への情熱 (40分)
グループ対話(15分)&質疑応答(25分)
講義2:方法的懐疑と「われ思う、ゆえにわれあり」(50分)
グループ対話(15分)&質疑応答(25分)
ランチ
(60分)
講義3:現象学とデカルト~なぜ、デカルトは現象学の源流なのか~(50分)
グループ対話(15分)&質疑応答(25分)
講義4:
社会構成主義と現象学はどう違う、デカルト批判はどこから(30分)
グループ対話(15分)&質疑応答(25分)
チェックアウト、全体を通しての質疑応答&ダイアログ
18時終了
個人参加費A(主催者招待の方) 40,000円(税込)
個人参加費B(一般参加者の方) 45,000円(税込)
法人参加費 49,000円
(税込)
※キャンセルポリシー
当日から3日前 100%
4日前から3週間前
70%
22日前から5週間前 40%
36 日前から10週間前 20%
9名 (申し込み者多数の場合は、若干名増やします)
最低催行人数 3名
『方法序説』デカルト著 (岩波文庫)4部まで
(約50ページ)
*わかりにくい箇所があっても考え込まずに前進して最後まで目を通してきてください。
HRT 現象学研究会
http://www.infohrt.com/seminar/wc_f_new.html
西研(にしけん)
元東京医科大学哲学教室教授
1957年鹿児島県生まれ。哲学者。
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。京都精華大学助教授、和光大学教授を経て現職。
哲学を「1人ひとりが自分と世界との関係を深く考えるための技術」として再生することを目指してきた。また、コミュニティとケアの哲学的探究の活動も行っている。ヘーゲル、ニーチェ、フッサール、 ハイデガーなどドイツの哲学を主に研究するとともに、日本能率協会や企業の社員研修として、哲学対話の実践を行ってきた。
おもな著書に『哲学は対話する』(筑摩選書)、『哲学的思考
フッサール現象学の核心 (ちくま学芸文庫)、『まなびのきほん しあわせの哲学』、『ヘーゲル・大人のなりかた』、『NHK「100分de名著」ブックス
ニーチェ ツァラトゥストラ』、『NHK「100分de名著」ブックスルソー
エミール』『NHK100分de名著テキスト カント 純粋理性批判』、『別冊NHK100分de名著
西研 特別授業『ソクラテスの弁明』』(ともにNHK出版)。
共著として『現象学とは何か:
哲学と学問を刷新する』竹田青嗣・西研編著
(河出書房新社)、『超解読!はじめてのヘーゲル「精神現象学」』竹田青嗣、西研、『超解読! ヘーゲル「法の哲学」』竹田青嗣、西研著(ともに講談社現代新書)など。
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