多くの場合、掲げられた目標やビジョンには、素晴らしい言葉が並んでいます。経営層から語られる目標・ビジョンには説得力があり、素晴らしい世界が描かれています。そうした目標やビジョンを美しく冊子にまとめて配布したり、職場の壁に立派な額縁に掲示されているような光景を目にします。

しかし、組織の目標・ビジョンを本当の意味で組織の末端まで共有できている組織がどれほどあるでしょうか。美しくまとめられた目標・ビジョンがまさに絵空事となっていないでしょうか。「上はきれいごとばっかり言っている」という陰口も聞こえてきそうです。

ここでは、組織の目標・ビジョンを共有するとともに、それらが、具体的なアクションにつなげていくための方法について考えてみます。

組織の目標・ビジョンを共有する上で最も大事なことは、受け手がその内容に理解し、納得するだけではなく、「ワガコト化」をすることにあります。それは目標・ビジョンについて、自分なりの成功イメージを持っていて、その実現を心から「達成したい」と思えていること。そして、実現のために自分が何をすべきかがわかっている状態になることです。

共有ミーティング①では、組織の目標・ビジョンの設定背景にある組織を取り巻く環境の変化や組織内のこれまでの動きについて探求します。このプロセスを通して、組織の目標・ビジョンの意味や必然性を理解していきます。

共有ミーティング②では、組織の目標・ビジョンに沿ったこれまでの経験・出来事について話し合います。この話し合いを通して、組織の目標・ビジョンを実現するための原動力や組織の強みを発見していきます。

共有ミーティング③では、さらに、共有ミーティング②で明らかになった原動力や組織の強みを活かして、組織の目標・ビジョンを実現するストーリー、アクションプランを策定していきます。

そして、これらの設定したストーリーやアクションプランを確実に実行することができているかどうかを定期的に振り返り、軌道修正のための振り返りミーティングを開きます。